クラリスロマイシン錠とクラビット錠はどこがどう違うのですか？
僕はクラリスロマイシン、彼女はクラビットが処方されました
『僕は20代後半の独身男ですが、最近知り合った女性とセックスをして、どうやらクラミジアという性病を移されてしまいました。それで蒲田にある専門のクリニックへ治療に行ったら、クラミジアの治療薬としてクラリスロマイシンが処方されました。実は彼女にも性病が移った事を教えましたので、後で彼女も病院へ行ってきました。もちろん彼女から移ったとは言わずに、僕が悪役になって彼女に移したのかもしれないと治療に行かせたのです。それで、彼女が処方されたのがクラビットでした。それに自分の場合は2週間の服用を言われたのに、彼女の場合は1週間だったとの事です。もちろん二人は別々のクリニックへ行っているので、こういった違いが出るのかもしれませんが、クラビットとクラリスロマイシンには効果的な違いなどがあるのでしょうか？』
両者の抗生物質は性質が違います
これは私の知り合いの男性が医療相談へ出した相談内容です。ネットを見ますと、この様な疑問や質問が意外と多く見られます。これについて説明をしますと、まずクラビットもクラリスロマイシンも、どちらもクラミジア治療の抗生物質である事は間違いありません。ですがこの2種類の抗生物質の働き事態に大きな違いがあります。まずクラリスロマイシンはマクロライド系 抗生物質といって、その作用は 細菌の内側からの攻撃を仕掛けます。つまり細菌の内部に侵入して破壊するタイプです。そしてクラビットはニューキノロン系の合成抗菌剤といって、こちらの作用は細菌の細胞壁を破壊する力技の攻撃を外側から仕掛け、それでDNAを損傷させるタイプです。この様に性質が違う事で、実は攻撃を受ける菌の反応が異なります。一般的にクラビットは細菌を耐性菌化させないために第1選択薬にしないのがセオリーです。それは攻撃パターンが大技であるために、細菌にとってもその技を交わす方法が身に着きやすいからです。反対にクラリスロマイシンはその耐性菌化が控えめとされていますが、効果はやや弱い薬です。その為に2習慣の服用となります。この特長の違いから、処方順序はクラリス→クラビットが望ましいとされています。そこで知人の例では、彼女の方が行ったクリニックの医師が、クラビットでいけると判断したのでしょう。またどちらが適しているかは個々で差があり、ケースバイケースという事もあります。